「1次」とは変数の 次数 が $1$ であることです。次数とは、掛け合わせる 変数の個数 です。例えば、$ y = x + 1$ は変数 $x$ の1次関数になっています。 では、 $ y = x^2 $ はどうでしょうか。この式は右辺の変数 $x$ を2回書け合わせているので次数が $2$ ですね。よって、この式は2次関数になります。
線形性について
 1次関数は 線形性 を持ちます。線形性とは、ざっくりいうと 「直線のようなもの」 です。1次関数 $ y = x $ は、下のグラフからも分かるように直線です。 1次関数  2次関数 $ y = x^2 $ は下の図からも分かるように湾曲しています。2次関数は線形ではなく、非線形 なのです。 二次方程式  線形性は数学を学ぶ上でとても大切な言葉なので、よく覚えておいてください。
 2次関数とは、2次式を含む関数のことです。1次関数の章でも述べましたが、2次関数は非線形です。2次関数 $ y = x^2 $ は、下の図も分かるように曲がっています。 二次方程式  2次方程式を解くには、以下のどれかの方法を使います。

1. 平方根を求める 2. 因数分解する 3. 解の公式を使う

1. 平方根を求める

次の2次方程式を解いてみましょう。 $x^2 + 5 = 30$

$x^2 =25$ $x = ±5 $ 2. 因数分解する

次の2次方程式を因数分解して解いてみましょう。 $x^2 - x - 14 = -2$

$x^2 - x - 12 = 0$ $(x +3) (x - 4) = 0$ $x = -3, 4$ 3. 解の公式を使う

ある2次関数が $ax^2 + bx + c = 0$ で表されるとき、この式の解は以下のように表されます。 \[ x = \dfrac{-b±\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}\] これを2次関数の解の公式といいます。

次の2次方程式を解の公式を使って解いてみましょう。 $5x^2 - 3x - 7 = -2$

$5x^2 - 3x - 5 = 0$ $ x = \dfrac{-(-3)±\sqrt{(-3)^2 - 4 \cdot 5 \cdot (-5)}}{2 \cdot 5}$ $ x = \dfrac{3 ± \sqrt{94}}{10}$
 3次以上の代数方程式を 高次方程式 といいます。高次方程式を取り扱うときは次数を $n$ で表します。 $n$ 次の代数方程式は $n$ 個の根をもつ、という性質があります。まずは、以下の3次関数のグラフを見てみましょう。 $y = x^3 - 2x^2 - 3x + 6  … 式1 $ 3次方程式 2次関数の時より少しだけ複雑になりましたね。3次関数は一般的に以下のように表されます。 \[y = ax^3 + bx^2 + cx + d  (a \neq 0) \] ここからは、3次方程式の因数分解について解説します。3次方程式を因数分解するには組み立て除法因数定理を使います。
 組み立て除法とは、整式 $f(x)$ を1次式 $x - α$ で割ったときの商と余りを簡単に決定する方法です。  組み立て除法を使って 式1 を因数分解してみます。  まず、$y$ が0となる $x$ の値を見つけます。$x = 2$ のときに $y$ が $0$ になるので、$(x-2)$ がこの式の解の1つになります。式1を $(x-2)$ で割ってみましょう。準備として、この式の係数を以下の図のように並ベ、少し離して下に線を書いておきます。また、$(x-2)$ で割るので、並べた係数の左上(赤枠の部分)に $2$ と書いておきます。ここからは以下のような流れで与式を $x-2$ で割った商を計算します。 ① 一番左の係数をそのまま下におろします。 ② おろした係数 $1$ に、左上の $2$ をかけた数 $-2$ を右上に書きます。 ③ 2番目の係数 $2$ と先ほどの $-2$ を足し合わせた合計 $0$ を下に書きます。 ④ 先ほど算出した $0$ を右上に書きます。その後は③④の操作を繰り返します 3次方程式 これで、式1 $y = x^3 - 2x^2 - 3x + 6$ を $(x-2)$ で割った商が、$(x^2 -3)$ であることがわかりました。さらに、$(x^2 -3)$ は $(x-\sqrt{3})(x+\sqrt{3})$ になるので、式1を因数分解した結果は以下のようになります。
$y = x^3 - 2x^2 - 3x + 6 = (x - 2)(x-\sqrt{3})(x+\sqrt{3})$
 因数定理とは、「多項式 $f(x) = 0$ が、その因数として $(x - a)$ をもつとき、$f(a) = 0$ となる」 という定理です。逆に、「$f(a) = 0$ となるとき、多項式 $f(x) = 0$ は、その因数として $(x - a)$ をもつ」というのも因数定理です。 では、因数定理を使って、 $f(x) = x^3 - 6x^2 + 11x - 6$ を因数分解してみましょう。 まずは因数を求めるために、$f(x) = 0$ となるような $x$ を探します。ここでは、とりあえず $x$ に $2$ を代入して確かめてみましょう。すると、 $f(2) = 0$ となり、$f(x)$ は $(x - 2)$ を因数に持つことが分かりました。 次に、組み立て除法を使って、$x^3 - 6x^2 + 11x - 6$ を $(x - 2)$ で割ります。 3次方程式 すると、上の通り、$f(x) = (x - 2)(x^2 -4x + 3)$ となります。さらに因数分解できるので、 $f(x) = (x - 2)(x - 3)(x - 1)$ となります。 因数定理の使い方が理解できたでしょうか。 余談ですが、3次方程式にも2次方程式のように、解の公式(カルダノの公式)が存在します。しかし、あまりにも複雑であるため手計算では実用的ではありません。知りたい方は「カルダノの公式」で検索してみるとよいでしょう。
 三角関数では角度を $[°]$ ではなく、ラジアン $[rad]$で表します。これを弧度法といい、$1 [rad]$ は、「半径の長さに等しい弧に対する中心角の大きさ」と定義されています。例えば、以下の図のように、半径 $1$ の円の場合、弧の長さ $\theta$ が $1$ のとき、中心角 $\theta$ が $1 [rad]$ になるということです。 単位円 また、円周の長さは $2 \pi$ と表され、 $2 \pi = 360°$ となります。 下の図では、$\sin \theta = \dfrac{b}{r}$、$\cos \theta = \dfrac{r}{a}$、$\tan \theta = \dfrac{b}{a}$ と表されます。 単位円 三角関数の公式を以下にまとめます。 $\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1$ 加法定理 $\sin(a \pm b) = \sin a \cos b \pm \cos a \sin b$ $\cos(a \pm b) = \cos a \cos b \mp \sin a \sin b$
 数学における指数とは、$a^n$ の $n$ のようにある数字または文字の右肩につける小さな数字または文字であり、累乗を表わすために使われます。 指数関数とは、$a>0$、 $a≠1$ として、$y=a^x$ で表される関数のことです。$a$は指数関数の底といいます。条件にも示してある通り、この底($a$)の値は正の実数であり、かつ、1ではありません。 指数関数 $f(x) = a^x$ は底$a$ が $0 \lt a \lt 1$ か $1 \lt a$ かによって、グラフの見た目が大きく変わります。$0 \lt a \lt 1$ の場合は右肩上がり、$1 \lt a$ の場合は右肩下がりになります。 指数関数 指数関数 指数関数の性質 $e^x \cdot e^y = e^{x+y}$ $\dfrac{e^x}{e^y} = e^{x-y}$ $(e^x)^y = e^{xy}$
 対数は指数と表裏一体のものです。対数を使うと、大きな数の計算を簡単にできたり、対数グラフのように巨大な数のグラフを見やすくしたり、いろいろと便利になります。 対数関数は指数関数の逆関数になります。対数関数とは、$a>0$、 $a≠1$ として、 $y = \log_{ a } x$ で表される関数のことです。指数関数の時と同様に、$a$は対数関数の底といい、底($a$)の値は正の実数であり、かつ、1ではありません。 対数関数 対数関数
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