このサイトを見られている方は、この章の知識は当たり前にあると思います。
が、数学初学者のことも考え、基本的な内容から示していきたいと思います。
直線の方程式
直線は方程式で表すことができます。
直線の方程式は $$$y = mx +n$$$ と$$$x = k$$$ です。
直線の方程式を、傾き$$$a$$$と$$$y$$$、 切片$$$b$$$でなく、その直線の方程式の通る2点$$$A(x_{1}, y_{1})$$$と$$$B(x_{2}, y_{2})$$$で表すと、
\[y - y_{1}= \frac{y_{2}-y_{1}}{x_{2}-x_{1}}(x-x_{1})\]
となります。
ちょっと下のグラフを見てください。傾きは $$$m = \frac{y_{2}-y_{1}}{x_{2}-x_{1}}$$$ となるのが分かるでしょう。

そして、この直線は $$$A(x_{1}, y_{1})$$$ を通るので、$$$y$$$からは$$$y_{1}$$$を、$$$x$$$からは$$$x_{1}$$$を引きます。
ちなみに $$$B(x_{2}, y_{2})$$$ も通りますので、この$$$x_{1}$$$と$$$y_{1}$$$を、$$$x_{2}$$$と$$$y_{2}$$$ に変えても構いません。
その直線を通る点ならどこでもOKです。
しかし、直線の方程式は、傾きが0の時、つまり $$$m=0$$$ の時は $$$y = b$$$ となります。これは、下のグラフみたいにx軸に垂直な直線になります。

なぜでしょう?
例えば、$$$y=2$$$ の時は $$$x=1$$$ の時も、$$$x=2$$$ の時も、$$$x=3$$$ の時も、$$$x=-10$$$ の時もいつでも$$$y$$$は2になりますね。
これらを点で表すと、$$$(1,2)(2,2)(3,2)(-10,2)$$$ です。これらをグラフ上にプロットしてみてください。
y軸上で $$$(0,2)$$$ の点を通って、y軸に垂直な直線になったでしょう。
ここで、不思議なことに気づいた人もいるかもしれません。直線の方程式が $$$y = ax +b$$$ と
「 $$$x = k$$$ 」だと書かれています。 $$$x = k$$$ は、$$$y = b$$$ みたいに $$$y = ax +b$$$ で表せないんでしょうか。
実は表せないんです。
傾き$$$m$$$を考えてください。
$$$y = b$$$ のときは傾き $$$m=0$$$ でした。傾きを坂道のキツさと考えて、どんどんきつい坂道にしてみましょう。$$$m=1→m=2→m=3→ … →m=100→ ……$$$。。
$$$m$$$ は $$$∞$$$(無限) になってしまいますね。
だから、特別に $$$x = k$$$ という方程式を用意してあげなければなりません。
$$$x = k$$$ というのは、下のグラフみたいにx軸に垂直な直線になります。
なんでかはわかりますよね?
$$$y = b$$$ のときのように、確認してみてください。

直線の方程式は、$$$y = mx +n$$$ と $$$x = k$$$ でしたが、さらに一般的な表し方があります。
それは $$$ax + by + c = 0$$$ です。
この方程式は、$$$y = mx +n$$$ と $$$x = k$$$ の両方を表すことができるんです!
余談ですが、多くの数学者や物理学者が、この世のあらゆる事柄を表す「一般的」な方程式を発見したいと考え、探し求めています。
さて、直線のより一般的な方程式 $$$ax + by + c = 0$$$ は本当に $$$y = mx +n$$$ と $$$x = k$$$ の両方を表すことができるでしょうか。
$$$y=0$$$ の時、$$$x = \frac{c}{a}$$$ 。 $$$\frac{c}{a} = k$$$ とおくと、$$$x = k$$$ です。
$$$x≠0$$$、$$$y≠0$$$ の時、 $$$y = -\frac{a}{b}x-\frac{c}{b}$$$ 。 $$$-\frac{a}{b} = m$$$、$$$-\frac{c}{b} = n$$$ とおくと、$$$y = mx +n$$$ です。
二つの方程式が、より一般的な1つの式で表せました!
よって、直線の方程式$$$ax + by + c = 0$$$ と表されます。