一階線形微分方程式
一階線形微分方程式は下のような式で表します。 \[y' + P(x)y = Q(x) 同次方程式:Q(x)=0, 非同次方程式Q(x)\neq0\] $$$y$$$ と $$$x$$$ の式が入り混じっていますね… でも大丈夫。微分積分をきちんと理解していれば決して難しくはありません。 少しずつ理解していきましょう。 Follow @spacedirac一階線形微分方程式の一般解は下のようになります。 \[y = e^{-\int P(x)dx} {\int Q(x)e^{P(x)dx} dx + C}\] これをそのまま覚えてしまってもいいのですが、それでは中身をきちんと理解できませんね。実際に問題を解きながら、一つ一つ理解していきましょう。 では、次の一階線形微分方程式を解いていきましょう。 $$$y' - 2y =e^x $$$ 一階線形微分方程式を解くときのコツは、まず 同次方程式 を解くことです。同次方程式とは $$$Q(x)=0$$$ となる方程式でしたね。なので、まずは $$$y' - 2y = 0$$$ を解きましょう。 $$$\dfrac{dy}{dx} = 2y$$$ $$$\int \dfrac{1}{y} dy = 2\int dx$$$ $$$ln |y| = 2x + C_{1}$$$ $$$|y| = e^{2x + C_{1}}$$$ $$$y = \pm C_{2}e^{2x} (C_{2}=e^{C_{1}})$$$ $$$y = Ce^{2x} (C=\pm C_{2})$$$ よって、同次方程式の一般解は $$$y = Ce^{2x} (C=\pm e^{C_{1}})$$$ と求まりました。 さて、次は 非同次方程式 を解いていくのですが、これもまた解き方にコツがあるんです。 先ほどの同次方程式の一般解の任意定数 $$$C$$$ を $$$u(x)$$$ に置き換えて、非同次方程式を解いていくんです。これは定数 $$$C$$$ を $$$x$$$ の関数として、変化させて解いていくので、定数変化法 といいます。 $$$y = u(x) e^{2x}$$$ また、$$$y' = u'(x)e^{2x} + 2u(x)e^{2x}$$$ この式を、与式に代入して $$${u(x) e^{2x}}' - 2u(x) e^{2x} = e^x$$$ $$$u'(x)e^{2x} + 2u(x)e^{2x} - 2u(x) e^{2x} = e^x$$$ $$$u'(x)e^{2x} = e^x$$$ $$$u'(x) = e^{-x}$$$ $$$u(x) = -e^{-x} + C$$$ $$$u(x)$$$ を同次方程式の一般解に代入すると、 $$$y = (-e^{-x} + C)e^{2x} = Ce^{2x} - e^x$$$ これで、与えられた一階線形微分方程式の解が出ました。 ちなみに、一階線形微分方程式の一般解の公式 $$$y = e^{-\int P(x)dx} {\int Q(x)e^{P(x)dx} dx + C}$$$ に代入しても同じ答えが出るので、試してみてください。