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フーリエ級数

まずフーリエ級数から学んでいきましょう。 最初に皆さんに言っておきたいのは、数式を見てすぐに諦めないでほしい ということです。 フーリエ解析で出てくる式は、積分計算にΣ計算、三角関数に複素関数など、これまでに学んだ数学の要素がふんだんに盛り込まれていて、一見とても複雑そうに見えます。 なので、式を見てすぐに諦めてしまう人も多いんです。 だけど、実はこれまでの知識を使うことで、式は簡単に展開できることが多く、決して難しいものではないです。ここでは解法も詳しく書いていますので、ゆっくり理解しながら読み進めていってください。 Follow @spacedirac
(この章の内容を動画で見たい方は、Youtube動画からどうぞ)

$$$-\pi \lt x \leqq \pi$$$ で定義された区分的に滑らかな周期関数 $$$f(x)$$$ は、以下のようにフーリエ級数展開できます。 \[f(x) = \dfrac{a_{0}}{2}+\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} (a_{k}\cos kx + b_{k}\sin kx)\] また、フーリエ係数というものも定義できます。フーリエ係数 $$$a_{k}$$$、$$$b_{k}$$$ は以下のようになります。 \[\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l} a_{k} = \dfrac{1}{\pi} \displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} f(x) \cdot \cos kx dx \quad (k=0,1,2,\cdots)\\ b_{k} = \dfrac{1}{\pi} \displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} f(x) \cdot \sin kx dx \quad (k=1,2,3,\cdots) \end{array}\right.\end{eqnarray}\] まずはフーリエ級数展開に慣れろ!ってことで、下の問題を一緒に解いてみましょう。 次式のように定義された周期関数 $$$f(x)(周期2π)$$$ を、フーリエ級数展開せよ。 \[f(x) = \begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l} -\dfrac{\pi}{4} (-\pi \lt x \leqq 0)\\ \dfrac{\pi}{4} (0 \lt x \leqq \pi) \end{array}\right.\end{eqnarray}\] フーリエ級数展開 上の図を見てみると、$$$f(x)$$$ が区分的に滑らかであることが分かりますね。なので、フーリエ級数展開の式にあてはめられる。まずはフーリエ係数 $$$a_{k}, b_{k}$$$ から求めていきましょう。 $$$a_{k} (k = 0, 1, 2, \cdots)$$$ を考えるんですが、$$$a_{k}$$$ は $$$k=0$$$ の場合を考えなければなりません。 $$$k=0$$$ のとき $$$a_{0} = \dfrac{1}{\pi} \displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} f(x) \cdot \cos 0x dx $$$ 積分の中身が、$$$f(x) \cdot cos0x = f(x) \cdot 1 = 奇関数 \cdot 1$$$ なので、奇関数を $$$-\pi$$$ から $$$\pi$$$まで積分することになります。つまり、 $$$a_{0} = 0$$$ $$$k=1, 2, 3, …$$$ のとき $$$a_{k} = \dfrac{1}{\pi} \displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} f(x) \cdot \cos kx dx $$$ 積分の中身が、$$$f(x) \cdot \cos kx = 奇関数 \cdot 偶関数 = 奇関数$$$ なので、奇関数を $$$-\pi$$$ から $$$\pi$$$ まで積分することになります。つまり、 $$$a_{k} = 0$$$ よって $$$a_{k} = 0(k = 0, 1, 2, \cdots)$$$ 次に、$$$b_{k} (k = 1, 2, 3 \cdots)$$$ を考えましょう。$$$a_{k}$$$ と違って、$$$k=0$$$ の場合がないので、それを考慮しなくていいんです。 $$$b_{k} = \dfrac{1}{\pi} \displaystyle \int_{-\pi}^{\pi} f(x) \cdot \sin kx dx $$$ 積分の中身が、$$$f(x) \cdot \sin kx = 奇関数 \cdot 奇関数 = 偶関数$$$ なので、偶関数を $$$-\pi$$$ から $$$\pi$$$まで積分することになります。つまり、 $$$b_{k} = \dfrac{2}{\pi} \displaystyle \int_{0}^{\pi} f(x) \cdot \sin kx dx = \dfrac{2}{\pi} \cdot \displaystyle \int_{0}^{\pi} \dfrac {\pi}{4} \cdot \sin kx dx$$$ $$$\dfrac{1}{2} [-\dfrac{1}{k} \cos kx ]_0^\pi = -\dfrac{1}{2k}(\cos k\pi - \cos 0) = \dfrac{1 - (-1)^k}{2k}$$$ 途中式の$$$\cos k\pi$$$で困ったかもしれませんが、これは$$$(-1)^k$$$になります。kの値を変化させて試してみてください。 これで、フーリエ係数 $$$a_{0} = 0, a_{k} = 0, b_{k} = \frac{1 - (-1)^k}{2k} $$$ が求まったので、これらをフーリエ級数展開の公式に当てはめましょう。 $$$f(x) = \dfrac{0}{2} + \displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} (0 \cos kx + \dfrac{1 - (-1)^k}{2k} \sin kx)$$$ $$$ = \displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \dfrac{1 - (-1)^k}{2k} \sin kx$$$ これでもいいのですが、Σ計算を開いた無限級数の形にしてみましょう。 $$$ = \sin x + \dfrac{\sin3x}{3} + \dfrac{\sin5x}{5} +\dfrac{\sin7x}{7} + \dfrac{\sin9x}{9} + \cdots$$$ さあ、これでフーリエ級数展開できました!! さて、フーリエ級数展開したら、どんな図形になるのか確認したいですよね。 それでは、$$$k$$$ の値を少しずつ増やしながら波形の変化を見ていきましょう。           k = 1  $$$\sin x$$$ フーリエ級数展開           k = 2  $$$\sin x + \dfrac{\sin3x}{3}$$$ フーリエ級数展開           k = 3  $$$\sin x + \dfrac{\sin3x}{3}+ \dfrac{\sin5x}{5}$$$ フーリエ級数展開           k = 4  $$$\sin x + \dfrac{\sin3x}{3}+ \dfrac{\sin5x}{5} +\dfrac{\sin7x}{7}$$$ フーリエ級数展開           k = 10, 100, 1000 フーリエ級数展開 いかがでしたか? 最初はただのサイン波だったのですが、だんだんピークが波打って行って、k=1000ではほとんど矩形波になっていますよね。最初に与えられた $$$f(x)$$$ のグラフとそっくりになっているのが分かると思います。ちなみに、このグラフの書き方はgnuplotのページにあります。
ここまでは、区間 [$$$-\pi \lt x \leqq \pi$$$] で定義された周期関数 $$$f(x)$$$ を考えていましたが、これを区間 [$$$-L \lt x \leqq L$$$] に変更してみましょう。 $$$-L \lt x \leqq L$$$ で定義された区分的に滑らかな周期関数 $$$f(x)$$$ は、以下のようにフーリエ級数展開できます。 \[f(x) = \dfrac{a_{0}}{2}+\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} (a_{k}\cos \dfrac{k\pi}{L}x + b_{k}\sin \dfrac{k\pi}{L}x)\] また、フーリエ係数は以下のように定義できます。 \[\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l} a_{k} = \dfrac{1}{L} \displaystyle \int_{-L}^{L} f(x) \cdot \cos \dfrac{k\pi}{L}x dx \quad (k=0,1,2,\cdots)\\ b_{k} = \dfrac{1}{L} \displaystyle \int_{-L}^{L} f(x) \cdot \sin \dfrac{k\pi}{L}x dx \quad (k=1,2,3,\cdots) \end{array}\right.\end{eqnarray}\] では、$$$-L \lt x \leqq L$$$ で定義された周期関数 $$$f(x)$$$ のフーリエ級数展開も慣れろ!ってことで、下の問題を一緒に解いてみましょう。 次式のように定義された周期関数 $$$f(x)(周期2L)$$$ を、フーリエ級数展開せよ。 \[f(x) = \begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{l} 0 (-2 \lt x \lt 0)\\ 1 (0 \lt x \lt 2) \end{array}\right.\end{eqnarray}\] フーリエ級数展開 上の図を見てみると、$$$f(x)$$$ が区分的に滑らかであることが分かるので、フーリエ級数展開の式にあてはめられます。まずはフーリエ係数 $$$a_{k}, b_{k}$$$ から求めていきましょう。 $$$a_{k} (k = 0, 1, 2, \cdots)$$$を考えましょう。 $$$a_{k}$$$ は $$$k=0$$$ の場合を考えなければならないこと、忘れていませんよね? $$$k=0$$$ のとき $$$a_{0} = \dfrac{1}{2} \displaystyle \int_{-2}^{2} f(x) dx $$$ $$$= \dfrac{1}{2} \displaystyle \int_{-2}^{0} 0 dx + \int_{0}^{2} 1 dx$$$ $$$= \dfrac{1}{2}[x]_0^2 = 1$$$ $$$k=1, 2, 3, …$$$ のとき $$$a_{k} = \dfrac{1}{2} \displaystyle \int_{-2}^{2} f(x) \cdot \cos \dfrac{k\pi}{2}x dx $$$ $$$= \dfrac{1}{2} (\displaystyle \int_{-2}^{0} 0 \cdot \cos \dfrac{k\pi}{2}x dx + \displaystyle \int_{0}^{2} 1 \cdot \cos \dfrac{k\pi}{2}x dx$$$ $$$= \dfrac{1}{2}[\dfrac{2}{k\pi} \sin \dfrac{k\pi}{2}x]_0^2 = 0$$$ 次に、$$$b_{k} (k = 1, 2, 3 \cdots)$$$ を考えましょう。 $$$b_{k} = \dfrac{1}{2} \displaystyle \int_{-2}^{2} f(x) \cdot \sin \dfrac{k\pi}{2}x dx $$$ $$$= \dfrac{1}{2} (\displaystyle \int_{-2}^{0} 0 \cdot \sin \dfrac{k\pi}{2}x dx + \displaystyle \int_{0}^{2} 1 \cdot \sin \dfrac{k\pi}{2}x dx$$$ $$$= \dfrac{1}{2}[-\dfrac{2}{k\pi} \cos \dfrac{k\pi}{2}x]_0^2 $$$ $$$= \dfrac{1-(-1)^k}{k\pi}$$$ これで、フーリエ係数 $$$a_{0} = 1, a_{k} = 0, b_{k} = \dfrac{1 - (-1)^k}{k\pi} $$$ が求まったので、これらをフーリエ級数展開の公式に当てはめましょう。 $$$f(x) = \dfrac{1}{2} + \dfrac{1}{\pi}\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} (\dfrac{1 - (-1)^k}{k} \sin \dfrac{k\pi}{2}x)$$$ 今回も、Σ計算を開いた無限級数の形にしてみましょう。 $$$= \dfrac{1}{2} + \dfrac{2}{\pi} (\sin \dfrac{\pi}{2} + \dfrac{1}{3}\sin{3\pi}{2} + \dfrac{1}{5}\sin{5\pi}{2} + \dfrac{1}{7}\sin{7\pi}{2} + \cdots)$$$ さあ、これでフーリエ級数展開できました!! 今回は、皆さんでグラフを作成して確認してみてください。gnuplotのページを参考にしてくださいね。
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