確率という単語は私たちの日常生活のあらゆる場面で使用しますね。確率と聞いて、特に多くの人が思い浮かべるのが賭け事(ギャンブル)ではないでしょうか。ブラックジャック、ポーカー、競馬、パチンコ… 賭け事が好きな人は多いようです。しかし、歴史の中では長い間、賭け事は経験に基づく勘で行われてきました。 賭け事の世界に確率の考え方を持ち込んだのは、イタリアのカルダノという人だと言われています。彼は 確からしさ(favourable) という考え方を持っており、これを使って効率よくギャンブルに勝とうとしたのです。 現代ではあらゆる学問や研究において、客観的に仮定を評価するときに確立の考え方が使われています。
 確率を学ぶための基礎として、集合や場合の数について理解していなければなりません。ここでは,場合の数や集合の基礎を簡単にまとめたいと思います。集合については 集合 の章も参考にしてください。 集合とは数学的には ある一定の条件を満たすものの集まり です。例えば、2で割り切れる10以下の自然数の集合をAとおくと、集合Aは以下のように表されます。 $ A = \{n| n=2k (k=1,2,3,4,5) $ nはこの集合の 要素(元) です。 次に階乗や順列や組合せに数についても簡単にまとめておきます。 n の階乗は n 個の異なるものを1列に並べる並べ方の総数です。 $ n! = n \cdot (n-1) \cdot \cdots \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1 $ 順列は n 個の異なるものから重複を許さず、r 個を選び出し、それを1列に並べる並べ方の総数です。 ${}_n \mathrm{ P }_r = \dfrac{n!}{(n-r)!} $ 重複順列は n 個の異なるものから重複を許して r 個を選び出し、それを1列に並べる並べ方の総数です。 $ n^r $ 組合せの数は n 個の異なるものの中から重複を許さずに r 個を選び出す選び方の総数です。 $ {}_n \mathrm{ C }_r = \dfrac{n!}{r! (n-r)!} $ 順列と組合せの数の関係は $ {}_n \mathrm{ C }_r = \dfrac{{}_n \mathrm{ P }_r}{r!} $ となります。 組合せの数にはいくつかの基本公式がありますので、それを以下にまとめます。 $ {}_n \mathrm{ C }_0 = {}_n \mathrm{ C }_n = 1 $ $ {}_n \mathrm{ C }_1 = n $ $ {}_n \mathrm{ C }_r = {}_n \mathrm{ C }_n-r $ $ {}_n \mathrm{ C }_r = {}_n-1 \mathrm{ C }_r-1 + {}_n-1 \mathrm{ C }_r $ $ r \cdot {}_n \mathrm{ C }_r = n \cdot {}_n-1 \mathrm{ C }_r-1 $ 確率について、さらに詳しく学びたい方には、以下の本がおすすめです(楽天のサイトにとびます)。
 確率には、数学的確率 と 統計的確率 と 公理論的確率 があります。 ここでは数学的確率について学びます。まずは数学的確率の定義を確かめておきましょう。 有限な全事象 $U$ に対して、そのすべての根元事象が同様に確からしく起こるとき、事象 $A$ の起こる確率 $P(A)$ は以下のように表されます。 $ P(A) = \dfrac{n(A)}{n(U)} $ また、$ P(A) $ は $ 0 \leq P(A) \leq 1 $ であり、$ P(U) $ は当然 $ P(U) = 1 $ になります。 次に確率の基本公式を以下にまとめてます。 $ A \cap B = \varnothing のとき  P(A \cup B) = P(A) + P(B) $ $ A \cap B \neq \varnothing のとき P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B) $ $ P(A) = 1 - P(\overline{ A }) $ ド・モルガンの法則 $ P(\overline{ A \cup B }) = P(\overline{ A } \cap \overline{ b }) $ $ P(\overline{ A \cap B }) = P(\overline{ A } \cup \overline{ b }) $
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