これまでに図形を媒介変数表示で表す方法を学んできましたたが、これを使って特殊な図形を表現してみましょう。
下の式が円を表すことは、これまでの章からすでに知っていますね。この式の$$$r$$$が円の半径を表すことも知っていると思います。
\begin{eqnarray} \left\{\begin{array}{l}
x = r \cos \theta \\
y = r \sin \theta
\end{array}\right.\end{eqnarray}
さて、この半径$$$r$$$が、$$$\theta$$$の関数として変動する($$$\theta$$$:媒介変数)と、どのような軌跡を描くでしょう。下の式を見てみてください。
\begin{eqnarray} \left\{\begin{array}{l}
x = e^{\theta} \cos \theta \\
y = e^{\theta} \sin \theta
\end{array}\right.\end{eqnarray}
この式と円の媒介変数表示の式をよく見比べてみると、$$$r = e^{\theta}$$$になっているのがわかるでしょう。rは一定の定数ですが、$$$e^{\theta}$$$は
θの値によって変化します。$$$\theta$$$がだんだん大きくなっていく($$$\theta : 0 \leqq \theta \leqq 2\pi $$$)とき、$$$e^{\theta}$$$もだんだん大きくなっていきますね。
つまり、回転するたびに半径がだんだん大きくなっていきます。この式は「らせん」を表します。それでは図に示してみましょう。
ちなみに、$$$r = e^{-\theta}$$$のときはだんだん半径が小さくなりながら、回転していきますね。
次に、サイクロイド曲線の媒介変数表示($$$\theta$$$:媒介変数、$$$a$$$:正の定数)と図を見てみましょう。
\begin{eqnarray} \left\{\begin{array}{l}
x = a (\theta - \sin \theta) \\
y = a (1 - \cos \theta)
\end{array}\right.\end{eqnarray}
「サイクロイド曲線」なんて名前、いかにも難しそうですよね。サイクロイド曲線は、下の図のように円を転がした時の円周上の1点が動く軌跡なんです。
次に、アステロイド曲線の媒介変数表示と図を見てみましょう。
\begin{eqnarray} \left\{\begin{array}{l}
x = a \cos^3 \theta \\
y = a \sin^3 \theta
\end{array}\right.\end{eqnarray}